冷間圧造とは
冷間圧造とは
冷間圧造と切削加工の違い
冷間圧造の基本工程
冷間圧造は、次のようなパンチとダイスの組み合わせにより、製品を作り出します。
(A) ふくらまし(据え込み)(upsetting)
パンチでたたいて材料径より大きくする工法でリベットやボルトの頭部形成に用います。
(B)強制(密閉)絞り(forward)
金型の中に材料を入れ、密閉した状態でパンチにより前方に押し出し、絞る工法です。
大きな絞り(断面減少率)が得られます。
(C)オープン(開放)絞り(reductioning)
金型から一部材料が出た状態でパンチにより頭部をたたき、軸を絞る工法です。小さな断面減少率の工法です。一般的には据え込みと同時に行います。
(D)後方押し出し(backward)
金型の中へ材料を入れ、ピンを押込むことにより、余肉をピンの進行方向の後方へ押出し穴をあける工法です。
(E)トリーミング(trimming)
余肉をカットして成形する方法で、六角ボルトの頭部六角抜き工程等に用います。
(F)打ち抜き・ピアス(pierce)
ピンによる穴抜きの工法で、ナットの穴抜きに用います。
ネジ成形の主要加工機
ダブルヘッダの整形工程
線送りローラで素材を送り込む。ストッパーに当たった素材を、
ナイフ機構で所要寸法に切断する。素材をダイス側に運ぶ。
予備据込みパンチ(第1パンチ)で成形する。
仕上据込みパンチ(第2パンチ)で成形する。
ノックアウトピンが製品を押し出す。
2ダイス3ブローヘッダの成形工程
- 第1ダイスと第2パンチにより、素材を第1ダイス内で前方押し出し成形を行う。
- 第2ダイスと第2・第3パンチにより、ダブルヘッダと同様に成形する。
6D6Bパーツホーマーの成形工程
- 素材の送り装置は省略されています。
- 1番、2番ダイスの成形後素材は反転します。
- 4番ダイス・ピンでパイプ形状を成形します。
- 5番ダイスで「つば」を成形します。
- 6番ダイス・ピンで貫通します。
ねじ山部分の成形
ねじ山部分を作るには、切削加工による方法と転造による方法とがあります。
転造とは、ころがして作ることで、英語でいえばロール(Roll)することです。
つまり、素材を(転造ダイス)に押付けながら転がすことによって、ダイス面の
ねじ山が素材に移り、ねじ山が成形されます。
転造は、加工方法でいえば冷間圧造になります。
ねじ山をころがして作る機械を、ねじ転造盤(ローリング)と呼びます。
転造盤には、転造ダイスの形状によって、平ダイス、丸ダイス、プラネタリ式等があります。
平ダイス転造盤の成形工程
素材が転造ダイスに押付けられながら転がる。ダイス面のねじ山の先端が素材にくいこむ。
徐々にねじがもみだされる。ダイスのねじ山の先端がねじの谷底になる。